皮膚科について

皮膚病は皮膚の病的変化であり、実にたくさんの種類が知られており、500種を軽く超えるとも言われます。
原因も非常に多岐にわたり、外的因子によるもの、内的因子によるもの、老化によるものなど、とても多種多様です。皮膚科治療においても、もちろん原因を把握することは大切なのですが、まだ原因のつかめていない疾患も、しばしば存在します。
そのため、決定的な治療法が無く、根気よくつき合っていく必要のある慢性疾患も少なくありません。しかし、個々の患者様のケースに応じて、軟膏とスキンケアによる外用療法、内服療法等を適切に行うことによって、より良い状態を保ち、こうした皮膚病と上手につき合うお手伝いをいたします。

皮膚科は早めの受診を

「皮膚は内臓を映す鏡」という言葉を耳にしたことがおありかと思います。皮膚は内臓を包み込んでいる袋のようなものですから、内臓・諸器官の発するサインがよく表れてきます。内臓をはじめとする体内の状態や血行の調子、ホルモンバランス、ストレスの有無などが複雑に絡み合い、皮膚症状として現れてくることが少なくないのです。小さな皮膚病変を検査しているうちに、思わぬ内科的疾患が見つかるケースもありますので、皮膚に異常が見つかった際は早めに受診してください。

主な疾患

湿疹・アトピー性皮膚炎・じんましん・にきび
水虫(白癬)・虫さされ・巻き爪・ほくろ・いぼ
やけど・けが(外傷)など

スキンケアもご提案

上記のような皮膚疾患以外にも、日頃のスキンケアの悩みや乾燥、肌荒れなど、皮膚のことで少しでも気になることが出てきましたら、何でもお気軽にご相談ください。
皮膚科医としてお一人お一人に合ったスキンケア対策をアドバイスいたします。

健康的な生活が大切です

皮膚疾患の原因には、様々なものが挙げられますが、特に日常生活の過ごし方が大きな影響を与えます。脂っこいものや甘いものを食べ過ぎたり、睡眠不足やストレスフルな生活を送ったりしていると、皮膚トラブルを招きやすくなります。
バランスのとれた食生活をし、夜更かしを避けて十分な睡眠をとり、適度な運動を心がけましょう。ストレスを溜め込まないように、気分転換を図ることも大切です。また、紫外線を過剰に浴び過ぎることも皮膚ダメージにつながりますから、日傘や帽子などをうまく利用した日焼け対策を怠らないようにしましょう。
こうした一見あたり前のような健康的な生活を送ることが、皮膚疾患の予防および治療に、とても良い影響を与えるのです。

主な症状・疾患

ニキビ(尋常性ざ瘡)

にきびの直接的な原因は、皮脂の過剰な分泌と毛穴の詰まりです。過剰に分泌された皮脂が毛穴に溜まり、面皰(めんぽう)という状態になります。この毛穴に溜まった皮脂を栄養源にして、にきびの元となるにきび菌は増殖していき、症状を悪化させます。
大人のにきびは、ホルモンバランスの乱れ、睡眠不足、紫外線、ストレスや生活環境など、いろいろな要因が複雑に絡み合ってできることが多く、治りにくいのが特徴です。 治療にあたっては、にきびの種類と重症度を判断し、外用薬(抗生物質の外用薬、イオウ製剤など)、内服薬(抗生剤、ビタミン剤、漢方薬など)、理学療法(赤外線治療など)等のなかから選択します。
にきびは医学的には尋常性ざ瘡というれっきとした皮膚疾患です。にきびができると気分的にもすぐれず、日常生活に影響が及んできます。また、にきびのケアが不適切だと「にきび跡」が残ってしまうこともあります。にきび症状が現れたら、軽視せずに皮膚科でご相談なさることをお勧めいたします。

湿疹

湿疹は、皮膚科を受診される患者様に、とても多く見られる症状です。ブツブツや小さな水ぶくれ、赤みなどが混ざって現れます。
湿疹は痒みを伴うことが多いため、ついつい掻いてしまいがちなものです。しかし、掻いて治ることは無く、むしろ掻くことによって患部を掻き壊してしまい、化膿や悪化を招き、患部が拡大してさらに痒くなる、という悪循環に陥ることが少なくありません。まずは痒みや炎症を抑える薬を上手に使い、こうした悪循環を断ち切る必要があります。
また、湿疹は慢性化すると治りにくくなりますので、症状がしばらく続くようなら、皮膚科を受診しましょう。

蕁麻疹

やや盛り上がった痒みの強いみみず腫れが、数分~24時間以内にできて消えていく皮膚疾患を蕁麻疹と言います。多くは痒みを伴いますが、チクチクとした痛みや、熱く焼けつくような痛みを伴うこともあります。
4週間以内に治るタイプを急性蕁麻疹、それ以上の期間にわたって断続的に発症するタイプを慢性蕁麻疹と呼びます。
蕁麻疹の原因は、食べ物や内服薬、細菌やウイルスの感染など様々で、検査としては皮内反応や血液検査などを行います。しかし、慢性蕁麻疹では、原因が特定できないことが少なくありません。
蕁麻疹の治療には、抗アレルギー剤や抗ヒスタミン剤などを使います。薬を内服すれば、多くは数日で症状が治まりますが、必ず医師の指示に従って飲み続け、徐々に減らしていくことが大切です。

かぶれ(接触性皮膚炎)

皮膚に直接触れたものが原因となって起こる炎症や湿疹を接触皮膚炎(かぶれ)と言います。原因が明らかな場合は通常、例えば「うるしかぶれ」など、原因物質の名前を頭につけて称されます。
原因が明確でない場合は、「パッチテスト」を行います。パッチテストとは、原因と疑われる物質を皮膚に貼りつけて反応を見る検査です。原因物質(アレルゲン)がわかったら、まずはその物質が含まれるものに接しないようにします。短期的にステロイド外用薬を使用し、痒みが強い場合は抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬を用いて治療します。
なお、接触皮膚炎には、アレルギー性のものもあります。この場合は、原因物質に繰り返し触れることで湿疹が現れます。「アトピー性皮膚炎」と間違えやすいのですが、複合的な要素が絡んで原因が複雑なアトピーとは違い、原因を特定し、その刺激を除きさえすれば、比較的容易に治すことができます。

肝斑

肝斑とは、頬や額、鼻の下などに左右対称に、ほぼ同じ形・大きさでできる薄茶色のしみのことです。肝斑は、妊娠や経口避妊薬の服用をきっかけに生じることがあるため、女性ホルモンとの関係性が指摘されています。また、精神的なストレスによってホルモンバランスがくずれることが影響する場合もあるほか、過度のマッサージなどの物理的な刺激でも悪化することがあるようです。
肝斑は、しみの中でも治療が難しく、内服薬、外用薬を中心に様々な方法を組み合わせて治療していきます。

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